鏑木清方展

鏑木清方展

2022年6月1日

 しばらく前のこと、竹橋の東京国立近代美術館で開かれていた『没後50年 鏑木清方展』に行きました。
 本展は、明治から昭和にかけて活躍した鏑木清方の作品を約110点展示するという大回顧展です。
 展示作品のなかでは、長らく行方がわからなくなっていたものを2019年に同館が購入し、話題になった「築地明石町」が、一緒に購入された「新富町」「浜町河岸」とともに展示され、会場内で存在感を放っていました。
 また、複数の作品については、画家が自らの作品の出来栄えに応じてつけた一つから三つの星が解説文に記されていて、画家自身の作品への思いを感じることができます。
 美人画の名手として知られる鏑木清方ですが、美人画だけでなく、失われゆく、または失われた明治の何気ない風景を描いた風俗画もまた良いものでした。
鏑木清方展
 館から望む大手町方面です。
竹橋から大手町方面

日本画トライアングル 画家たちの大阪・京都・東京

2022年5月30日

 六本木の泉屋博古館東京で開かれていた「日本画トライアングル 画家たちの大阪・京都・東京」展に行きました。
 当館のリニューアルオープンを記念した今回の展覧会は、当館の日本画コレクションの全貌を、大阪・京都・東京のそれぞれの背景ごとに展示する企画でした。
 それぞれの都市の政治、経済の背景や、たどってきた日本画の歴史が、各作品の制作に少なからぬ影響を与えたとされ、本展を見ることで日本画の新たな視点を得ました。
 振り返ると泉屋博古館東京へは2014年5月に訪れて以来8年ぶりで、月日の経つのは早いものだと改めて感じました。
日本画トライアングル
 泉屋博古館東京へは、日比谷線の神谷町駅から気持ちのいい緑道を通って行きました。
神谷町駅から泉屋博古館への道

高橋由一館 常設展

2022年5月20日

 香川県琴平町金刀比羅宮にある高橋由一館に行きました。
 高橋由一といえば日本の近代洋画の祖とされていて、金刀比羅宮に常設展示があると知って以来、行きたいと思い続けていました。
 館には金刀比羅宮が高橋由一から奉納を受け、また、時には高橋由一を支援するために購入したという油絵が展示されています。リアルな静物画、山や海を巧みな構図や色彩で描いた風景画など、高橋由一のみの作品をまとめて見られるという貴重な場所です。
高橋由一館
 金刀比羅宮では、表書院の一部が公開されていて、ガラス越しではあるものの縁側や廊下から円山応挙の障壁画を見ることができました。写真は表書院前の屋外のパネルです。
遊虎図
 金刀比羅宮の本殿のある場所から讃岐平野を見渡すと、讃岐富士や遠くの瀬戸大橋までも望めました。
金刀比羅宮からの讃岐平野
 上の写真の瀬戸大橋付近を拡大してみました。
瀬戸大橋拡大

空也上人と六波羅蜜寺

2022年5月15日

 上野の東京国立博物館で開かれていた「空也上人と六波羅蜜寺」展に行きました。
 仏像の展示が中心の本展では、何といっても教科書でもなじみのある『空也上人立像』を間近で見られるとあって、連日多くの人を呼んでいるようです。また、これも教科書でおなじみの経典を手にした『伝平清盛坐像』も見ることができます。
 『空也上人立像』の口から現れた6体の阿弥陀仏は、仏像や祖師像としては見たことのない独自のスタイルです。この運慶の四男康勝によって造られたとされる像は、360度の各方向から見られる展示のおかげで、リアルな表情や姿勢、座りジワのある法衣までよく見えて見飽きるということがありません。
空也上人展
 庭園は春の陽が降り注いでいました。
庭園

特別展 燕子花図屏風の茶会

2022年5月10日

 南青山の根津美術館で開かれている『特別展 燕子花図屏風の茶会』に行きました。
 例年、庭園のカキツバタが咲く頃、当館が所有する「燕子花図屏風」をメインに様々なテーマの展覧会が催されいます。
 今年のテーマは、当館のコレクションを築いた根津嘉一郎が、1937(昭和12)年5月の数日間にわたって催した大茶会で披露した屏風や茶道具を展示するというもので、名品をまとめて見られる貴重な機会です。当時の茶会の客や懐石の献立、使われた器のことが記された記録の展示もまた興味深いものでした。
 主役の尾形光琳の「燕子花図屏風」はもちろん何度見ても素晴らしいのですが、並べて展示されていた円山応挙の「藤花図屏風」は、金地に墨でのびやかに描かれた幹や枝と、繊細に描きこまれた花の組み合わせで「燕子花図屏風」に負けないくらい素晴らしいと感じました。
燕子花図屏風の茶会展入口
 庭園のカキツバタは見ごろを迎えていました。昨年訪れた時は開花時期よりも少し早かったので花をほとんど見られなかったのに対し、今年は思う存分見ることができました。
庭園で満開の燕子花

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