本阿弥光悦の大宇宙

本阿弥光悦の大宇宙

2024年3月23日

 上野の東京国立博物館で開かれていた「本阿弥光悦の大宇宙」展に行きました。
 本展では、戦国時代から江戸初期に生きた本阿弥光悦の手による書や作陶、光悦が制作にかかわった漆工品の優品が見られるとあって期待をして出かけました。
 多彩なジャンルの展示品とその説明文を見るうちに、これまでの本阿弥光悦への理解がいかに浅かったかを思い知りました。また、日蓮法華宗に帰依していたことが制作活動に大きな影響を与えていたこともなかなか書物などでは知ることができなかったことです。
 自分にとっての今回のハイライトは、能書家としても知られる光悦による『鶴下絵三十六歌仙和歌巻』です、琳派の祖とも称される俵屋宗達の鶴の下絵に、あたかも鶴と一緒に舞うように流麗な文字が配置されていて実に印象的でした。
本阿弥光悦の大宇宙

大名茶人 織田有楽斎

2024年3月20日

 六本木のサントリー美術館で開かれている「四百年遠忌記念特別展 大名茶人 織田有楽斎」に行きました。
 本展は、織田信長の弟として生まれ、戦国武将として活躍し、茶人としても一級の足跡を残した織田有楽斎の400年遠忌の節目に企画されたものです。
 展示の中心は、有楽斎が晩年に再興し、隠棲した京都・建仁寺の塔頭「正伝院」に伝わるゆかりの書状、茶道具です。貴重な資料としての書状からは武将としてまた茶人としての交流の広さを感じます。また、茶入や茶杓、茶碗などの名品も見ることができます。
 信長、秀吉、家康に仕え、戦国を生き抜いた茶人としての有楽斎を深く知ることができました。
織田有楽斎
 

みちのく いとしい仏たち

2024年3月5日

 東京駅の東京ステーションギャラリーで開かれていた「みちのく いとしい仏たち」に行きました。
 民間仏としては円空が良く知られ、円空と同じような素朴ながら力強い造形美が見られると思って出かけましたが、出展されている仏像は予想とはおおきく異なったお姿でした。
 会場では展覧会のタイトルにある「いとしいほとけたち」が出迎えてくれ、時には笑みがこぼれるようなお姿もありました。また、ほとけたちは威厳や荘厳さを求めるのではなく、身近な祈りの対象として大切に守られてきたことを感じました。
みちのく いとしい仏たちエントランス
東京駅の丸の内北口は今日もたくさんのひとが行き交います。
東京駅丸の内北口ドーム

やまと絵 受け継がれる王朝の美

2024年2月27日

 上野の東京国立博物館で開かれていた『やまと絵 受け継がれる王朝の美』展に行きました。
 開催趣旨によると、平安前期に成立したやまと絵は、様々な変化を遂げながら連綿と引き継がれてきたそうです。
 私にとってのやまと絵は、伝統が受け継がれてきたものというイメージでしたが、実はそれぞれの時代の最先端を取り込んで人びとを驚かせてきたと知って、やまと絵を見る視点が変わりました。
 本展では、平安時代から室町時代にかけての選びに選んだ優れた作品を見ることができました。当館のコレクション自体も、こうした企画に全国から優品を集められるのも、さすがトーハクです。
東京国立博物館やまと絵
ユリノキ
庭園

 

それぞれの闘い 春陽会誕生100年

2024年2月17日

 だいぶ前のこと、東京駅の東京ステーションギャラリーで開かれていた「それぞれの闘い 春陽会誕生100年」に行きました。
 「春陽会」は1923年に第1回展が開かれ、現在も活発に活動している美術団体と紹介されていて、今回は創立100年を記念するものです。
 その創立会員、創立客員には梅原龍三郎や岸田劉生、萬鐵五郎、中川一政といった現代美術に大きな足跡を残した画家たちが属していて、日本美術界に大きな影響を与えてきたことがうかがえます。
 また、本展の展示作品は念入りに選定され、何と約50か所の所蔵先から集められたそうです。見応え十分でした。
それぞれの闘い エントランス

それぞれの闘いポスター
見終えた後は丸の内北口を行き交う人を眺めます。
丸の内北口の様子

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