美の競演 静嘉堂の名宝
2020年10月28日
世田谷の静嘉堂文庫美術館で開かれていた「美の競演 静嘉堂の名宝」に行ってきました。
展示作品のうち今回の目玉とされる『曜変天目(稲葉天目)』は、その不思議な玉虫色の茶碗自体が名品であることに加え、徳川家光が春日野局に下賜し、その後、三菱財閥の岩崎家が入手したという来歴も名宝と呼ぶのにふさわしいものでしょう。
なお、琳派好きの私にとっての一番の名宝は、酒井抱一の『波図屏風』でした。
静嘉堂文庫美術館については、2022年に展示場所を丸の内の明治生命館に移すようです。これにより丸の内地区は出光美術館、三菱一号館美術館、東京ステーションギャラリーとともに美術館の一大集積地を形成します。
世田谷の高台からの眺めは丸の内への移転後は見られなくなります。
和巧絶佳展 令和時代の超工芸
2020年10月16日
しばらく前のことになりますが、汐留のパナソニック汐留美術館で開かれていた「特別企画 和巧絶佳展 令和時代の超工芸」に行ってきました。
展覧会では、1970年以降生まれの12人の作家による陶芸や皮革、ガラス、螺鈿、金工など日本に伝わる工芸技術で現代を表現した作品が展示されていました。
また、アクリル絵具と透明樹脂を用いた作品や、アルミ鋳造による作品など、伝統にとらわれない制作方法の作品も見られ、美術品としての現代工芸を理解する上でとても良い機会でした。
再びのロンドン・ナショナル・ギャラリー展
2020年10月10日
上野の国立西洋美術館で開かれているロンドン・ナショナル・ギャラリー展へ再び行ってきました。
期間中に展示替えなどがあって同じ展覧会に2度行くことはありますが、今回は会期中にもう一度見ておきたかったので同じ展示を2度見ました。期待どおりでした。
特別展のあとの常設展では、国立西洋美術館が新たに収蔵したスルバランの『聖ドミニクス』を見ることができました。良いコレクションが加わりました。
月岡芳年 血と妖艶
2020年10月2日
原宿の太田記念美術館で開かれている「月岡芳年 血と妖艶」展に行ってきました。
月岡芳年は幕末から明治前半にかけて活躍した浮世絵師で、歌川国芳に師事しました。
展覧会では「血」「妖艶」「闇」のキーワードで月岡芳年の作品を掘り下げていて、中には凄惨な血みどろ絵もあります。
これまでなじみのなかった月岡芳年ですが、今回の展覧会でたくさんのことを知ることができました。
内藤コレクション展Ⅱ
2020年9月25日
しばらく前に、上野の東京国立西洋美術館で開かれていた「内藤コレクション展Ⅱ 中世からルネサンスの写本 祈りと絵」に行きました。
以前にご紹介した「内藤コレクション展」の続きで、15~16世紀の西ヨーロッパで制作された色彩豊かな時祷書のリーフを中心に数多くの作品が展示されていました。
手のひら大の獣皮紙に描かれた絵や文字は、下の写真のように拡大されたパネルになっても美しさが損なわれていないのが驚きでした。