木彫り熊の申し子 藤戸竹喜 展

木彫り熊の申し子 藤戸竹喜 展

2021年9月16日

 東京駅の東京ステーションギャラリーで開かれている「木彫り熊の申し子 藤戸竹喜」展に行ってきました。
 私にとっての木彫り熊といえば、子供のころ、祖父が北海道旅行からお土産として持ち帰った鮭をくわえた熊の置物です。今回はその固定観念が完全にくつがえる展覧会でした。
 1934年に北海道の美幌町で生まれ、2018年に亡くなった藤戸竹喜氏の初期から晩年までの80点余りの木彫作品を見ることができました。
 熊はもちろんのこと、オオカミや鹿、アイヌ民族など、対象を繊細でありながら大胆にとらえた作品は驚きの連続です。
 解説によると、制作にあたってはデッサンをすることがなく、簡単な目印を丸太に入れただけで、あたかも木の中に潜んでいる形があらかじめ見えていて、それをただ取り出しているかのよう、とあります。そういえば、ルネサンスの巨匠のミケランジェロが同じような意味のことを言ったと何かで読んだことを思い出しました。
藤戸竹喜展入口
 美術館の回廊からは丸の内北口ドーム内の様子がよくわかります。
丸の内北口

ランス美術館コレクション 風景画のはじまり コローから印象派へ

2021年9月8日

 西新宿のSOMPO美術館で開かれている「ランス美術館コレクション 風景画のはじまり コローから印象派へ」展に行きました。
 ランス美術館のあるランスは、数多くのシャンパンメーカーが拠点を置くフランス・シャンパーニュ地方の中心地で、そのコレクションはシャンパン製造で潤った経済力が寄与しているそうです。
 そのランス美術館の改装工事による休館のため、多くのコレクションが貸し出されました。おかげでフランスの近代風景画の名品を見ることができます。
 中でも、コローの作品をまとめて見られるのは、コローの作品が充実しているというランス美術館のコレクション展ならではと思います。
風景画の始まりポスター
SOMPO美術館外観

三菱の至宝展

2021年9月1日

 丸の内の三菱一号館美術館で開かれている『三菱創業150年 三菱の至宝展』に行きました。
 三菱の創業家である岩崎家が収集したコレクションを展示する特別展で、岩崎家ゆかりの静嘉堂と東洋文庫が所蔵する品々が展示されていました。
 国宝12点という展示品のなかでも特に目玉といえる『曜変天目(稲葉天目)』は、昨年秋に静嘉堂文庫美術館で見て以来ですが、今回は低い位置に置かれた茶碗を上から見下ろすような展示になっていたため、茶碗の内側(「見込み」と言うそうです)の別の顔を見たような気がします。
 同じく茶道具では『付藻茄子(九十九髪茄子)』という、義満、信長、秀吉、家康らが所持したといわれる茶入も展示されていて、茶の湯に疎い私でもコレクションの貴重さがわかります。

三菱の至宝展エントランス
 展示順路の途中に用意された、中庭の見えるベンチで休憩をします。
三菱一号館中庭
 中庭は季節の花を楽しめます。
中庭の花
 高知県安芸市には、三菱の基礎を築いた岩崎彌太郎の生家が修復保存されていて、写真は以前に訪れた時のものです。
岩崎彌太郎銅像
銅像

ざわつく日本美術 サントリー美術館 開館60周年記念展

2021年8月27日

 六本木のサントリー美術館で開かれている「ざわつく日本美術 サントリー美術館 開館60周年記念展」に行きました。
 本展は、私たちが作品を見た時に感じる「ざわつき」に着目し、おもわず「心がざわつく」作品や展示方法そのものを見せる展覧会とのことです。
 たとえば、ふだんの展示ではなかなか見ることのできない、やきものや能面などの裏側を見せてくれたり、茶碗や香合、楽器が収まっている箱を見せてくれたりと、好奇心をそそります。もちろん、作品はすぐれたものばかりです。
ざわつく日本美術
 
 

自然が彩る かたちとこころ

2021年8月20日

 日本橋室町の三井記念美術館で開かれている「自然が彩る かたちとこころ」展に行ってきました。
 リニューアル工事を前に、当館の選りすぐりのコレクションを見ることができました。テーマは東洋・日本美術に表された「自然のすがた」です。
 円山応挙の『雪松図屏風』のツンとした寒気を感じる雪景色の松、酒井抱一の『秋草に兎図襖』から感じる秋風、安藤緑山の『染象牙果菜置物』の本物の触感や香りが伝わってきそうな果物や野菜など、どの作品からもそれぞれ違った自然を感じることができます。

三井記念美術館エントランス

三井記念美術館

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